脱毛サロン大手のミュゼプラチナムを巡って元従業員は16日、裁判所に会社の破産手続き開始を申し立てました。元従業員が涙ながらに運営会社への不信感を語りました。
■従業員の給与未払い15億円に
元従業員
「私だけでなく全国に約2000人以上の従業員が今も窮地に立たされて、つらい状態で過ごしている。絶対にこの件は放置してはいけない問題だと思っている。一日でも早く解決に至ることを私自身願っています」
16日、ミュゼプラチナムの元従業員ら10人が去年12月以降、賃金が支払われていないとして東京地裁に破産手続き開始の申し立てを行いました。従業員2300人余りの給与の未払い額は15億円に及ぶといいます。
全国にある約170店舗を一斉に休業した脱毛サロン大手のミュゼプラチナム。3月下旬、従業員に「一斉解雇する」と伝えた説明会をきっかけに経営者と従業員の溝が浮き彫りになりました。
ミュゼプラチナム運営 MPH株式会社
高橋英樹代表取締役
「僕が言っているのは、皆さんにも僕にも少なからずミュゼプラチナム全体で売り上げが上がらなかった原因があるのではないか。給料って公務員じゃないので、売り上げからしか給料って払われない。そこがミュゼの方々は理解できていないのかな」
ミュゼを運営する高橋社長は先月のインタビューでは一転して、騒動を釈明し、「従業員を守りたい」と語っていました。
高橋代表取締役
「説明会はすべて失敗でした、大変申し訳ありません。私たちの意図としては従業員すべての方々の給料や生活を守りたいというのが第一発信だった」
それから1カ月半。従業員たちはさらなる生活苦を訴えています。
元従業員Aさん(7年間勤務)
「失業保険1回目が5月だったので入ったのは入ったが、本来もらえるはずのお金より6万円ぐらい少なかった」
7年間勤務したAさんによると、会社側から送られてきた離職届に直近の給与が書かれていなかったため、失業手当が本来より少なくなってしまったと話します。
カードの支払いが一部滞ってしまい、現在は家の中にあるタブレット端末や使わないゲーム機を整理し、フリマアプリで販売してお金を工面しようと四苦八苦しています。
■負債額は300億円見込みも…新規事業スタート
帝国データバンクによると、運営会社の負債総額は約300億円に上る可能性もあるといいますが、先月から運営会社側は「どこでもミュゼ」という新サービスを始動。全国で285店舗の登録が確定しているとして、今後も加盟店拡大を進める方針です。
運営会社側は、新事業による収入などを未払い分に充てて、年内に支払いを完了する計画を明らかにしました。
高橋代表取締役
「レンタル代の収入や今後の毎週30店舗のオープンに対しての収入がだいたい毎月3億円ほど。5月末から12月末までの推移で給料の支払いができると考える」
元従業員の一部が破産を申し立てる一方で、脱毛サロンを続けたい運営側。未払いを是正する目的は仮に同じだとしても、方向がまるで違います。
高橋代表取締役
「資産がMPH社には1円もございません。第三者破産を進めて例えば認められた場合は、今後MPH社としての再建は難しいと考えている」
勤務歴8年の元従業員は、新規事業を信用できないと話します。
元従業員Bさん(8年間勤務)
「新規事業に関しては本当にあり得ない。あり得ないのひとことです。そのお金があるなら一刻も早く給料未払いに充ててほしい」
弁護士法人プロテクトスタンス 堀向良介弁護士
「第三者、債権者による破産の申し立ての場合は、会社側は事業を続けたいとか破産開始決定がされないようにするということで、なかなか破産手続きは進まないことはよくある。破産手続きとして長期化する可能性が非常に高いと思う」
(「グッド!モーニング」2025年5月17日放送分より)
[テレ朝news] news.tv-asahi.co.jp
この記事へのコメントはありません。